僭称(せんしょう)
身分を越えた称号を名乗ること。
また、その称号。
「僭」は「僭越ですが……」という言い回しでよく聞くあの「僭」です。
身分不相応におごりたかぶる、という意味があります。そこから転じて「なぞらえる」の意味も。
考えてみれば、「僭越ですが……」というのは言動に矛盾を感じるというか、日本人らしい不思議な言葉ですね。
要は自分は相応の身分ではないことを自覚しているとアピールしつつ、出過ぎた真似をさせてもらいますよと宣言しているわけですから。
へりくだったような態度を見せておきながら、何か差し出がましいことをする。実はなかなかに恐ろしいことのように感じます。
「僭称」の話よりも「僭越」の話になってしまいました。失礼。
参考文献
『漢検漢字辞典[第二版]』(日本漢字能力検定協会)