2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧
媾(よしみ) 互いにいつくしむこと。親しくつきあうこと。また、夫婦の交わり。 よしみ は「誼」と書けば 交情 や 縁故 の意となり、「媾」とはまた別の言葉のようです。 「媾」 ①まじわる。男女がまじわる。 ②よしみ。仲直りする。 ②の意味の熟語に「媾和」がありま…
跖狗吠尭(せきくはいぎょう) 人はそれぞれ自分の仕える主人に忠を尽くすもので、善悪をわきまえて尽くすわけではないということ。 出典は『戦国策』〈斉策〉。 「跖の狗 尭に吠ゆ」 中国春秋時代の大盗賊で、盗跖(とうせき)という人がいました。 理想的な聖天…
滄海遺珠(そうかいいしゅ) 世に知られずに埋もれている立派な人物や有能な人材。 「滄海」 大海のこと。 「遺珠」採集に失敗した真珠のこと。 広い海原の底に取り残された真珠を、世に埋もれた有能な人物にたとえた四字熟語です。 「滄」 ①あおい。 ②さむい。 参考…
頽堕委靡(たいだいび) 体力や気力などが、しだいにおとろえていくこと。 「頽堕」 くずれ落ちる。 「委靡」 おとろえ弱る。 「頽」 くずれる。 退 に書き換えられます。故に 衰退 ←→ 衰頽 退廃 ←→ 頽廃 などが書きかえ表記です。 「委」 は「委縮(萎縮)」の委と考えれ…
嬶天下/嚊天下(かかあでんか) 妻が夫よりも権力をもち、いばっていること。 妻が家庭の実権を握っていること。 知ってる言葉ではありましたが、そもそも「かかあ」とは何なのか、どう書くのかについては今回初めて確認しました。 かかあ = かか = 妻 「嬶」は鼻…
熕/大筒(おおづつ) 大きな弾丸を発射する火器。大砲。 そもそも大砲のことを「おおづつ」ということを存じ上げていませんでした。 格好良い言い方だと思います。おおづつ。 「熕」 大砲を表す国字。 「砲熕(ほうこう)」という熟語もあります。 参考文献 『漢検漢…
鶍の嘴(いすかのはし) 物事がくいちがって、思いどおりにならないたとえ。 用例 「鶍の嘴の食い違い」 「する事なす事鶍の嘴」 鶍(いすか)はアトリ科の鳥。 嘴(くちばし)が上下湾曲していてぴったり合わないことから、「鶍の嘴」という表現が生まれたとのこと。 確…
叺(かます) 穀物などを入れるのに用いる、むしろで作った袋。 口から入れる意を表す国字です。 辞典の文字情報だけではいまいちイメージしにくいですが、ググれば早い。 口から入れる袋で「かます」。 漢字の勉強は、時に漢字の領域に留まらない知識を教えてく…
杣(そま) 木材を切り出す山。 木をとる山を表す国字。そのままの意味ですね。 「杣山(そまやま)」 材木を切り出すための、樹木を植える山。 「杣人(そまびと)」 杣の樹木を切ったり運びだしたりする職業の人。きこり。 参考文献 『漢検漢字辞典[第二版]』(日本…
纐纈(こうけち) 奈良時代に行われた絞り染めの名で、布を縫いしばって染料にひたす染色技法。 インドから中国を経て日本に伝来した。 染色技法には幾つか種類があり、纐纈については「絞り染め」というのがポイントのようです。 「纐纈」をそれぞれ頁部を除いて…
鵤/斑鳩(いかる・いかるが) アトリ科の鳥。 体は灰色で、黄色い大きなくちばしをもつ。 ググってみたところ、こういう鳥でした。 「鵤」は国字。 「斑鳩」は夏の季語でもあります。 ちなみに奈良県には斑鳩町という町があるそうです。 参考文献 『漢検漢字辞典…
弖爾乎波/天爾遠波(てにをは) ①漢文を訓読するとき補読する文字。助詞・助動詞・用言の活用語尾などの総称。 特に、明治以降は助詞の称。てには。 ②言葉の使い方。話のつじつま。 「弖爾乎波が合わない」のように、②の意味で使われることが多い語です。 元々…
軒輊(けんち) 上がり下がり。軽重。高低。優劣。 例文 「ものの軒輊を論ずる。」 「軒」 ここでは「くるま」の意。 車は車でも、昔の中国の車で、前部が軽く上に上がっていた車が「軒」。 「輊」 ここでは 低い の意。 車の前が重く下がっているさまを言うのが「輊」。 …
闡明(せんめい) はっきりしない道理などを明らかにすること。 例文 「本義を闡明にする」 「闡」 ひらく・ひろ(まる)・あき(らか) ①ひらく。あける。ひろめる。ひろまる。 ②あきらか。明らかにする。 「闡明」においては②の意味で使われています。 ひらく と あき…
偏袒扼腕(へんたんやくわん) 興奮して激しく怒ったり、悔しがったりすること。 「偏」 かたよる。 「袒」 はだぬぐ、かたぬぐ。転じて一肌脱ぐ、味方する意味にも(左袒など)。 「偏袒」で片肌を脱いで力むことを意味します。 「扼」 おさえる。 「扼腕」=片手でもう一…
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朝齏暮塩(ちょうせいぼえん) 極貧のたとえ。赤貧。 「齏」 なます。あえもの。 おせちに入っている紅白なますというものがありますが、元々なますは質素な食事でよく出される料理のようです。 朝に齏を食べ、暮れに塩を食べる生活は赤貧そのもの。 類義の四字…
渾崙呑棗(こんろんどんそう) 人からの教えの意味を考えずに、ただ受け入れるだけでは本当に理解することはできないということのたとえ。 「渾崙」は丸ごとという意味。 「呑棗」はナツメの実を噛まずに飲み込むこと。 丸呑みしても実の味は分かりませんからね。 …
沈湎(ちんめん) 酒におぼれて、すさんだ不健康な生活をすること。 そんな自堕落な生活はしたくない。 「湎」 おぼれる。しずむ。 「酒におぼれる」も、こっちの字を用いる方がより自堕落感が出る気がします。 参考文献 『漢検漢字辞典[第二版]』(日本漢字能力…
縹緻(きりょう) 顔だち。みめ。容姿。 「器量」とも書きます。 「縹緻」は当て字の表記。 「縹」①はなだ。薄いあい色。また、はなだ色の絹。 ②遠い。はるかな。 「緻」 きめこまかい。くわしい。 縹(はなだ)、というのは植物名で、ツユクサの別称だそう。 ちなみに縹…
微恙(びよう) 軽い病気。気分が少しすぐれないこと。 恙、ここでは病気の意で使われています。 微かな病気で微恙です。 恙は訓読みで「うれ(い)」☜憂 ・「つつが」があります。 「その後恙(つつが)無くお過ごしですか」等のように使われる「つつが」です。 「恙(つつ…
瀟洒/瀟灑(しょうしゃ) すっきりとして洗練されているようす。 「瀟」は「きよ(い)」と訓読みされ、清くさっぱりしたさまを意味します。 「洒」は駄洒落(だじゃれ)の洒ですね。ただし「瀟洒」の場合は「瀟」と同じくさっぱりしたさまを言います。 ちなみに「洒落」は し…
惆悵(ちゅうちょう) うらみ嘆くこと。残念がり悲しむこと。また、そのさま。 「惆」「悵」ともになげく意。 訓読みも共通していて、「うら(む)」「いた(む)」。 「悵」はいくつか熟語あり。 「悵望(ちょうぼう)」「悵然(ちょうぜん)」「悵恨(ちょうこん)」等。
不埒千万(ふらちせんばん) 法や道理に従わないこと。 または、非常に無礼なこと。 埒が明かない、でよく使われる「埒」ですが、意外にもその字義は知らずに使っていました。 「埒」 ①しきり。かこい。 ②一定の範囲。けじめ。 訓読みでは「かこ(い)」と読まれます。…
披瀝(ひれき) 心中を包み隠さず打ち明けること。 忠誠を示すこと。 例文 真情を披瀝する。 「披」はひらくの意。披露の披ですね。 「瀝」は ①したたる。しずく。②(液体を)こす。 ③そそぐ。 披瀝の場合、どの意味に当てはまるのか記載はありませんが、②の意味でイ…
幽邃(ゆうすい) 景色などが奥深くて人けがなく静かなさま。 類義語に「幽寂」。 例文 幽邃なる山間に居を構えた。 何やら仙人が住んでいそうな山奥が思い起こされます。 「幽」「邃」共におくぶかいの意。 邃は訓読みに「ふかい」「おくぶかい」「とおい」。 参考文献 『…
靉靆(あいたい) ①雲がたなびいているさま。 ②雲が空をおおって暗いさま。 ③暗く陰気なさま。 これまた音符と意符がわかり易い。 どちらも「雲」部が意符、旁が音符です。 ちなみにどちらの漢字も部首は雨冠でした。 「靉」「靆」ともに雲のたなびくさまを意味する…
宿痾(しゅくあ) 以前からわずらっていて治らない病気。 類義語に「持病」「旧痾」 なお、「旧痾(きゅうあ)」は上記の意味のほかに、以前かかった古い病気という意味もあります。 「痾」は「やまい」。中でも長く患っている病のことを言うようです。 疒(やまいだれ)なの…
落穽下石(らくせいかせき) 人の弱味につけこんで、さらに痛めつけるたとえ。 落とし穴に落ちた人に向けて、さらに上から石を落とす意から。 韓愈の文『柳子厚墓誌銘』が出典とのこと。 「穽」は訓読みで「おとしあな」と読み、そのままの意味を持ちます。 それに…