釜中の魚と轍鮒の急

漢字多めの雑記ブログです

2019-01-01から1年間の記事一覧

漢検一級勉強録 その126「昏定晨省」

昏定晨省(こんていしんせい) 親に孝行をつくすこと。 =温凊定省/冬温夏凊/扇枕温衾 「昏(くれ)に定めて晨(あした)に省みる」ともいう。 「昏定」 父母の寝床を整えること。 「晨省」 父母のご機嫌をうかがうこと。

漢検一級勉強録 その125「環堵蕭然」

環堵蕭然(かんとしょうぜん) 家が非常に狭くて、さびしくみすぼらしいさま。 =家徒四壁 「環堵」 家の周囲のせまい垣根。⇒狭い家・貧しい家 「堵」は かき(垣)。 「蕭然」 ものさびしいさま。 「蕭」は しずか。

漢検一級勉強録 その124「太羹玄酒」

太羹玄酒(たいこうげんしゅ) 規則のみにしばられた淡白で面白味のない文章。 「太羹」 味のついていない肉汁。 「大羹」とも書く。 「玄酒」 水の別名(太古、祭りのときに水を酒の代用としたから) 「羹」 あつもの

漢検一級勉強録 その123「朱墨爛然」

朱墨爛然(しゅぼくらんぜん) 学問や研究に専念することのたとえ。 黒い文字の本に朱色の書き込みが鮮やかなことから。 「爛然」 きらきらと光り輝くさま。 「爛」 ここでは あざやか の意味。

漢検一級勉強録 その122「傾側偃仰」

傾側偃仰(けいそくえんぎょう) 良きにつけ悪しきにつけ浮き世まかせの暮らし。 「偃仰」は えんこう とも読む。 「傾側」 かたむき世を随順すること。動いて定まりがないこと。 「偃仰」 伏したり仰いだり寝たり起きたり ⇒浮き沈みすること。 「偃」 ①おごる。おごり…

漢検一級勉強録 その121「猗頓の富」

猗頓の富(いとんのとみ) 巨万の富、莫大な財産のこと。 由来:中国、春秋時代、魯の頓という男が陶朱(とうしゅ)公の教えを受け、猗氏という土地でウシやヒツジを飼って大いに財をなしたという故事から。 出典は『史記』。 「猗」 ああ・うつく(しい)/イ・ア ①あ…

漢検一級勉強録 その120「怡怡」

怡怡(いい) 喜び楽しむさま。 なごやかに楽しむさま。 例文 : 怡怡として笑う。 「怡」 よろこ(ぶ)・やわ(らぐ)/イ ①よろこぶ。たのしむ。 「怡怡」「怡然」 ②やわらぐ。「怡顔」「怡色」

漢検一級勉強録 その119「愛迪生」

愛迪生(エジソン) アメリカの発明家。 電信機・電話機・蓄音機・白熱灯・映写機などを次々に発明した。 取得した特許は1300以上という。 「迪」 みち・みちび(く)・ふ(む)・すす(む)/テキ ①みち。道徳。 ②みちびく。教えみちびく。 「啓迪(ケイテキ)」 ③ふむ。す…

漢検一級勉強録 その118「埃氛」

埃氛(あいふん) ほこりっぽい空気。また、俗世間のよごれた空気。 「埃」 ほこり・ちり ①ほこり。ちり。小さなごみ。「塵埃(ジンアイ)」 ②俗世間。俗事。 ③「埃及(エジプト)」の略。 「氛」 き・にぎわい ①き(気)。空中にただようもの。けはい。 ②わざわい。

漢検一級勉強録 その117「阿利襪」

阿利襪(オリーブ) モクセイ科の常緑小高木。地中海沿岸原産。 日本では小豆島で栽培。初夏、淡黄色で香りのよい花をつける。果実からオリーブ油をとる。 「阿利布」とも書く。 「襪」 たび・くつした/ベツ・バツ たび(足袋)。くつした。 「襪線」 ≒韈

漢検一級勉強録 その116「捐館」

捐館(えんかん) 身分の高い人の死。 住んでいた館をすてる意から。 「捐」 す(てる)・あた(える)・か(う) ①すてる。すてさる。「捐棄」「捐廃」 ②あたえる。救済のために金品を出す。「義捐」「出捐」 ③かう。金銭で官位を得る。 「捐官」「捐納」

漢検一級勉強録 その115「兔起鶻落」

兔起鶻落(ときこつらく) 書画や文書の筆致に盛んに勢いがあることのたとえ。 「兔」 うさぎ 「鶻」 はやぶさ うさぎが起ち、はやぶさが獲物めがけて急速に飛び下りるような勢いのある筆致。 「兔」は上の画像の字体でも書く。

漢検一級勉強録 その114「翼覆嫗煦」

翼覆嫗煦(よくふうく) 翼で包み抱き温める。 転じて、いつくしむ。愛撫する。 「嫗」 あたためる 「煦」 あたた(める)・あたた(かい)・めぐ(む) ①あたためる。あたたかい。めぐむ。 ②ひかり。日の光。

漢検一級勉強録 その113「嫗伏孕鬻」

嫗伏孕鬻(うふうよういく) 鳥や獣が子を産み育てること。 「嫗伏」は「おうふう」とも読み、鳥が卵を覆い温めること。 「嫗」 おうな・あたた(める)/オウ・ウで ①おうな。年老いた女。 ②あたためる。 「孕」 はら(む)・みごも(る)/ヨウ はらむ。みごもる。妊娠する。…

漢検一級勉強録 その112「銜尾相随」

銜尾相随(かんびそうずい) 車や動物などが切れ目なく連なって進むこと。 ≒銜尾相属 「銜尾相(あい)随(したが)う」ともいう。 「銜尾」 前を行く馬の尾をあとの馬がくわえること。 「相随」 つきしたがって進む。 「銜」 くつわ・ふく(む)・くわ(える)・くらい ①くつ…

漢検一級勉強録 その111「豕交獣畜」

豕交獣畜(しこうじゅうちく) 人をけだもの同様に扱うこと。 人を人としての礼をもって遇しないこと。 「豕」 豚。 豚とみたして交わり、獣とみなして畜(やしな)う。 なお、「獣」は旧字体の「獸」と書くことも。

漢検一級勉強録 その110「同袍同沢」

同袍同沢(どうほうどうたく) 苦労を分かち合った友人。親友、戦友。 「袍」 ①わたいれ(防寒用の服)。ぬのこ。 ②下着。ふだんぎ。 ③束帯の時に着る上着。 「沢」 ここでは汗取りのことで、下着。 衣服を貸し合って助け合った友人という意味から。 出典は『詩経』。

漢検一級勉強録 その109「噬指棄薪」

噬指棄薪(ぜいしきしん) 母と子の気持ちがお互いに通じることのたとえ。 「噬」 かむ。 後漢の蔡順が薪を採りに行っている間に来客があって、母が困って自分の指をかむと、その気持ちが通じ、蔡順が薪を棄てて帰ってきたという故事から。 いくら困ったからとい…

漢検一級勉強録 その108「波詭雲譎」

波詭雲譎(はきうんけつ) 文章が自在で非常に巧妙なこと。 波や雲のように自由自在に限りなく変化すること。 詭・譎ともに あやしい・あざむく の意から、ここでは 人の目を奪い驚かす ⇒ 変化する という意味を表す。 「詭」 ①いつわる。あざむく。そむく。 「詭…

漢検一級勉強録 その107「殷鑑不遠」

殷鑑不遠(いんかんふえん) 失敗を戒める例は近くにあるたとえ。 ≒商鑑不遠 「殷鑑遠からず」ともいう。 「殷」は、ここでは古代中国の王朝名。 「鑑」は かがみ、手本。 殷が鑑とすべき手本は、まさにすぐ前の王朝夏(か)の暴政であったことから。 出典は『詩経』。…

漢検一級勉強録 その106「轍乱旗靡」

轍乱旗靡(てつらんきび) 軍隊などが敗走する形容。 兵車の轍(わだち)の跡が乱れ軍旗がしなだれる意。 「靡」 なび(く)・おご(る)・ただ(れる) ①なびく。したがう。「靡然」 ②おごる。ぜいたく。はなやか。「奢靡」 ③ただれる。 ④ちる。ちらす。 ⑤ほろびる。ほろぼ…

漢検一級勉強録 その105「毫釐千里」

毫釐千里(ごうりせんり) はじめを慎むべきことをいう。 ≒差以千里(さいせんり) cf.「之を毫釐に失すれば謬(あやま)るに千里を以てす」 「毫釐」=釐毫 ほんの少しであること。きわめて微量であること。わずか。 「毫」 ほそげ・わず(か)・すこ(し)・ふで ①ほそげ。…

漢検一級勉強録 その104「螳臂当車」

螳臂当車(とうひとうしゃ) 微弱な者が自分の力をかえりみず強者に立ち向かうたとえ。 ≒螳螂之斧 「螳」 螳螂(かまきり/トウロウ)に用いられる字。 「螳螂」は「蟷螂」「蟷蜋」とも書く。 「臂」 ①うで。かいな。 ②ひじ。 カマキリが車に鎌(腕)の部分を振りかざして立ち…

漢検一級勉強録 その103「春寒料峭」

春寒料峭(しゅんかんりょうしょう) 春になっても寒さが残り、春風が肌にうすら寒く感じられるさま。 「料」 ここでは なでる の意味。 ≒捋 ツラ 「峭」 きびしい。けわしい。 「料峭」は畳韻。詩で韻を踏む。

漢検一級勉強録 その102「樗櫟散木」

樗櫟散木(ちょれきさんぼく) 役に立たない人やもの。 自己の謙称。 ≒樗櫟之材、樗櫟庸材 「樗」 おうち/チョ ①ごんずい。ミツバウツギ科の落葉小高木。 ②役に立たないもののたとえ。 ③おうち。栴檀(センダン)の古名。 「櫟」 くぬぎ・いちい・こす(る)/レキ・ロ…

漢検一級勉強録 その101「燥ぐ」

燥ぐ(はしゃぐ) ①調子にのってさわぐ。 ②水分がなくなり、乾燥しきる。 「燥」 かわ(く)・はしゃ(ぐ)/ソウ ①かわく。かわかす。 「乾燥」 ②いらだつ。 「焦燥」 なお、「燥(かわ)く」は「乾く」よりも乾燥の度合いが強いとのこと。

勉強録その100「騏驥過隙」、節目に思うこと

騏驥過隙(ききかげき) ほんの一瞬の出来事。 ≒白駒過隙 「騏驥、隙を過ぐ」ともいう。 「騏」≒「驥」 すぐれたウマ。駿馬(しゅんめ)。 「過隙」 戸の隙間の向こう側を駆け抜ける。 さて、誰に向けて言っているわけではありませんが、今思っていることをここに書いて…

漢検一級勉強録 その99「甘井先竭」

甘井先竭(かんせいせんけつ) 才能のある者ほど先に憂き目にあうこと。 ≒山木自寇(さんぼくじこう) 「甘井、先ず竭く」ともいう。 「甘井」は、うまい水の出る井戸。 「竭」 つ(きる)・つ(くす)・か(れる)・ことごと(く)/ケツ 「竭尽(けつじん)」 使いつくすこと。つ…

漢検一級勉強録 その98「肉叢」

肉叢(ししむら) 肉のかたまり。また、体の肉。肉体。 「叢」 くさむら・むら(がる)/ソウ ①くさむら。草木がむらがり生えている所。≒簇 ②むらがる。一ヶ所にあつまる。

漢検一級勉強録 その97「羝羊藩に触る」

羝羊藩に触る(ていよう まがき に ふる) 見境なく突進して、うまくいかずに進退きわまることのたとえ。 雄の羊がまがきに突っ込んで、角が引っかかって動けなくなるという意から。 出典は『易経』。 「羝」 おひつじ/テイ 雄のヒツジ。 「藩」 (表外読み)まがき …